ただの相談役 気まぐれブログ

父のDNA
201102.25

こんにちは「住宅プランナー」のガマです。

 

『今日は子どもら、居らんのか?』

 

それが父の『いただきます』代わりの食卓での挨拶。

 

母も私たち夫婦も無視。

 

次女は結婚をして家を離れたこと、

長女は仕事柄、事務所兼自宅で夕食を済ますのが多くなったこと、

毎度毎度、話してきたが忘れている。

 

風呂を嫌うのも相変わらず。

 

鼻炎のためか、私には分からないのだが、

母や奥さんには相当臭うらしい。

 

食欲は以前より増している。

 

一回一回の量は多くないのだが、

のべつ幕無しに、飲むか食べるか、している。

 

しかも忘れている。

 

 

木曜日の午後は訪問介護の若い女性の来られる日。

 

父は他人様の介護を嫌う。

 

しかし、チャイムが鳴ると、サッサッと歩いて玄関へ行くという。

 

奥さんは『いつもとちがうよ』と笑い、

母は『厭らしい』と顔をしかめる。

 

父はどこまで行ってもエエカッコシイなのだ。

 

しかも夕食時には介護を受けたことさえ忘れている。

 

父は何か動作をしようとすると、

その前に必ずタバコに火をつける。

 

タバコをくわえ、煙を吐きながら、

ヨタヨタと進む姿はまるで故障寸前の蒸気機関車。

 

『あんたはデゴイチか』と私はからかう。

 

『お父さんも一緒やないの』と奥さんは鋭く指摘。

 

家では私もタバコをいつもくわえている。

 

 

『今日は小中井君、居らんのか?』

 

今朝、展示場に来て心の中で呟いてから、ゾッとした。

 

父のDNAは確実に私に受け継がれている。

 

 

喜ぶべきか、悲しむべきか。

執筆者:中井勝人
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